とにかく手帖にメモる癖。

どこかの片隅にて、事実8割、妄想2割。

ゼルビア手帖 Vol.6

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CONTENTS

1.あいさつ

2.J2第4節「FC町田ゼルビアロアッソ熊本」〜雑感〜

3.聖地・野津田に新名所?

4.おまけ

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1.あいさつ

 こんばんは。20日行なわれた町田対熊本では⑲北井佑季のゴールで見事連勝を収めましたね。初めてJリーグの開催となった野津田には4,351人の観客が駆けつけ、一体感のある素晴らしい雰囲気を作り出していました。僕自身初めての野津田での試合を振り返りたいと思います。

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2.J2第4節「FC町田ゼルビアロアッソ熊本」〜雑感〜

2012.3.20/K.O13:04/町田市立陸上競技場/4,351人/晴れ、弱風/14.6℃/湿度28%

町田1-0熊本

59分:北井佑季(勝又慶典)

町田

    ⑦勝又 25平本

⑰鈴木崇        ⑯庄司

   26コリン ⑮柳崎

②津田 ⑭薗田 ⑤田代 ③藤田

      21相澤

SUB:GK①修行 DF⑥太田 ⑱三海 MF⑪酒井 FW⑩ディミッチ ⑲北井 ⑳鈴木孝

交代:55分26コリン→⑲北井 68分⑯庄司→⑥太田

熊本

      ⑳白谷

   ⑭武富   ⑪藤本

⑦片山 ⑩養父 22吉井 24筑城

  ④廣井 ⑥福王 ③高橋

       ⑱南

SUB:GK①岩丸 MF⑧原田 ⑲五領 23根占 FW⑨チェ・クンシク

交代:67分⑪藤本→23根占 75分24筑城→⑨チェ 81分⑭武富→⑧原田

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 「ここまでのベストゲームだった」とアルディレス監督が話すように、スコアではなく、アグレッシブに自分たちが目指しているサッカーへトライするという意味で、今シーズン最もポジティブなゲームだったのは多くの人が感じただろう。それは野津田にこだました声援が後押しした部分は決して小さくない。それほどピッチとスタンドの一体感は素晴らしかった。

 前半開始からロアッソ熊本の寄せが速く、球際の厳しいディフェンスに町田は苦しめられた。3バックで25平本一樹と⑦勝又慶典を捕まえ、両ウイングバック鈴木崇文と⑯庄司悦大をしっかりとケアされると、町田は攻略の糸口をなかなか掴めなかったが、DFラインから繋ぐスタイルを諦めることなくチャレンジし続けた。その中でヒヤヒヤする場面や、パスミスからあわやという場面に繋がりそうなシーンは少なくなかった。それでも失点しなかったこと、チャレンジをやめなかったことは町田にとってプラス材料だと思う。序盤のミスで失点していたら愛媛戦のように慌ててしまった可能性は否定できない。そうなればパスサッカーへの良いチャレンジも難しくなっていただろう。

 この試合において両チーム共に決定機を作れなかった要因は、お互いのミスの応酬によるものが一番だろう。中盤で町田がパスミスをして、熊本にカウンターのチャンスを与えてしまっても、そこで熊本も便乗するかのようにミスのお返しでせっかくのチャンスを自ら潰していた。それは町田にも同じことが言えた。しかし、そんな中の一つをものにしたのが59分の北井佑季のゴールだった。21相澤貴志が試合後のインタビューで「どちらに転んでもおかしくなかった」と話すように、内容では町田が優っていたとは思うが、熊本に勝ち点3を奪われてもおかしくはなかった。

 町田が助けられたもう一つの要因としては、思った以上に熊本の攻撃陣のクオリティが低かったことだろう。トップの白谷健人はキープ力に乏しく、藤本主税は精彩を欠いた。武富孝介はせっかくのビッグチャンスを溜息の出るようなミスでふいにした。それ以上に攻撃の狙いがいまいち見られず、町田の守備陣はそれほど怖くなかっただろう。「とにかくバランスを崩さないように意識」(⑥太田康介)することだけを気をつければ良かった。そしてバランスを崩すことなく、見事クリーンシートでゲームを終わらせた。

 しかしだ。この試合のようなミスを次節・京都戦でも繰り返していたら久保&宮吉という強力な2トップは見逃してくれないだろう。イージーなミスは避けなければならない。パスミスは選手自身のコントロールミスによるところが原因として当然あるとしても、周りのポジショニングの遅さも原因として挙げられる。しかし、そんなにすぐに修正できれば苦労しない。これはチーム全体で徐々に改善していくしかないのだが。。

 少し悲観的なことを書いてしまったが、それは町田の可能性、伸びしろに期待している現れである。試合後の記者会見でアルディレス監督は勝ったことを考慮してもかなり上機嫌だった。開口一番「まずメディアの方は今日、我々の試合を見てどう感じたか伺ってみたい」と笑顔を交えてそう切り出し、冒頭に書いたようにチームのパフォーマンスに大きな手応えを口にしていた。相手の高木監督も「非常にオーガナイズされていて、粘り強さを感じた」と町田の感想を述べた。課題が多いのは当然である。それはむしろ伸びしろと捉えるべきだろう。それよりもこの4節間でのチームの成長は著しいと表現しても差し支えないだろう。次節はタレント豊富な京都サンガFCだ。恐れることなく町田が向かっていけるか。今から楽しみである。

 この試合で唯一の決定機を決めた⑲北井は改めて興味深い選手だ。そのメンタルはまさにアタッカー。投入された0−0という状況を振り返って「自分としては一番ワクワクする」とプレッシャーなど微塵も感じさせない。さらに「僕をゲームに入れるということは引き分けで終わろうという考えではなくて、絶対に勝ちにいこうということは指示で言われなくても明らか」と、自分の存在を強烈に自覚・意識したこの発言はなんとも頼もしいと感じた。北井のスピードと突破力は25平本も「Jトップクラス」と認めるところ。そしてこの試合でのゴールシーンは「スローでしたね。自分の中ですごく落ち着いてました」と話す。これはゴールへの覚醒を期待させる言葉だ。この22歳の若きアタッカーは町田の今後を左右するほどの可能性を感じさせてくれる。じつに興味深い。ピックアップ・プレーヤーで改めて取り上げるとする。

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3.聖地・野津田に新名所?

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 ロアッソ熊本戦からお披露目となったこの巨大な建物は、仮設として建てられた「メディアセンター」だ。4階建てのこのメディアセンターに訪れた誰もが圧倒された。「メインスタンド見たら壁なのでね(笑)。ちょっと怖いですけど(笑)」(⑮柳崎祥兵)、「なんか違うところでやっている感じでしたね(笑)」(⑦勝又慶典)と町田の選手たちは違和感を感じつつも、期間限定の新しい名物を楽しんでいるようだった。

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4.おまけ

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 おまけとして、野津田まで駆けつけたロアッソ熊本のサポーターの写真を一枚。熊本のキャプテン⑪藤本は「力不足です。今が一番悪いということを祈ります。ここからまた昇っていくだけ。全然諦めるということはない」と次節へ向けて切り替えていた。このサポーターと共に頑張ってほしいものです。