とにかく手帖にメモる癖。

どこかの片隅にて、事実8割、妄想2割。

<蹴心>Vol.4

CONTENTS

1.あいさつ

2.<蹴心>Vol.4

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1.あいさつ

 どうも。天皇杯では今治に5-2で勝利しました。放送はなかったのでどんな試合だったかはわかりませんが、まずは勝利したことを喜びましょう。さて、前回のコラムと順番が逆になってしまった感は否めませんが、東京V戦についてのコラムをお送りします。では。

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2.<蹴心>Vol.4

10月8日、町田はアウェイの味の素スタジアムで臨んだ東京Vとの一戦で、土壇場に平本一樹PKを獲得してかろうじて引き分けに持ち込んだ。激闘を終えた選手にアルディレス監督は「本当に戦ってくれた選手たちを誇りに思う」と称えた。以前、当コラムで「町田イレブンには〝勇気〟が求められている」と書いた。1点ビハインドで迎えた57分、鈴木崇文に代わって投入された平本が、苦しいチームにまさに〝勇気〟を吹き込んだ。「攻撃に深さが足りない」(アルディレス)のは、町田がずっと抱えている課題の一つだ。縦へ攻撃が流れないことで相手を前後に動かせず、深さのない狭いスペースを埋めるだけで町田の攻撃は手詰まりになっていた。この試合もまさにそんな状況に陥っていたのだ。しかし、平本が入ったことで流れは一変したのは、誰の目からみても明らかだった。勇猛果敢に縦へドリブルを仕掛けることで、東京Vを敵陣に押し込み、後半立ち上がりの悪い流れを一気に町田ペースへと引き込んだ。それは、平本のスキルと経験があるからこそなし得た業だ。そして、ついにそれは訪れた。84分、田代真一からパスを受けた平本はPA内でドリブルを仕掛け、対応した中後雅喜は逆を取られ、咄嗟に足を伸ばした。平本はうつ伏せに倒れ込み、ボールはゴールラインの先へ転がった。その瞬間、村上伸次主審のホイッスルが鳴り響き、指先はペナルティスポットを指していた。平本の勇気ある仕掛けがPKをもたらしたのだ。ディミッチが冷静に決め同点に追いついた。敗戦寸前で町田は勝点1を手にした。しかし、この前に行なわれた試合で富山が鳥取に勝利したため、21位との勝点差は開いた。それでもこの1点の重要性は計り知れない。リーグの残り試合数は5。そして19位・岐阜との勝点差は5。一般的に勝点差5をひっくり返せる可能性がある試合数は5と言われている。降格圏はボトム2。町田はまだ死んでいない。